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自由について
創作活動をする上で大切にしていることの一つに「自由」という概念がある。
私にとって「自由」とは自分の気持ちや考えに対して忠実であることと言い換えてもよいかもしれない。そして自分が自由であるかどうかは、実はなかなか難しい問題でもあるように思う。そもそも自分自身の本当の気持ちを自らちゃんと把握できているのか疑わしい。そして、その本当の気持ちというものがあるとしてそれを正直に表出し、それに忠実に行動するとなると、実際にはさらに非常に難しいことになるように思える。しかし一方で人間は誰でももともとは自由だったのではないかとも思える。生まれたての赤ん坊は、自分の気持ちのままに生きているのではないか。幼い子供は自分が感じたままに絵を描いているのではないかと。それが歳を重ねるにつれて変化する。周囲に合わせたり、損得を計算したりすることを覚える。それらは別に悪いことではなくむしろ成長と言うべきことで人間が生きていく上で当然必要なことである。ただ、その成長の過程で人間は自ら自分の自由を制限するようになってゆくのではないだろうか。そして、ことによると本来の自分を徐々に見失って行くのではないだろうか。
私はそこに創作活動の存在意義があるように思う。実生活の中では個人の自由は制限されることが多い。それは当然のことで、各自が制限なく自由に行動すれば社会に混乱を招くことになるだろう。しかし例えば、絵を描くという行為に限れば、そこで何をどう描こうともそれはまったく作者の自由である。つまりやろうと思えば絵を描くことで自分にかけられた制限を取り払うことができるということだ。実生活とは多少異なる自由な世界がそこにある訳だ。
私は絵を売って収入を得られればそれに越したことはないと思っている。コンクールで良い成績をとったり、周囲の多くの人たちに認められたら良いなと夢をみている。しかし仮にそれらを目指すことで自分の自由を制限する必要が生じるとしたら、私は自由をとりたい。そうでなければ意味がない、そう思っている
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